「ちくおんき」って耳にしたことがある人は結構いると思いますが、50代未満になると殆どの人は実物を見たことも音を聞いたこともないのではないでしょうか。
一般的にはラッパのような拡声器がついたイメージでしょうが、私が幼い頃実家にあったものは1950年頃の単純な箱形でした。
ゼンマイ式なのでネジを巻き、スピード調整レバーで丁度良い回転を探しながら鳴らしていたのを思い出します。
(当時を思い出して描いてみましたが、部品名などは定かではありません)
蓄音機といいますが本体はプレーヤーで、音が蓄えられているのはレコード盤ですね.
このSPレコードが非常に分厚くて重たかったのを覚えています。
高回転のため、12インチ程の大きさに片面1曲(数分)程度の記録しかできなかったようです。
私が小学生の頃、自宅に東芝のボストンというステレオもありましたが、この蓄音機から聞こえる音は全くエレクトロニクスに頼らない味のある不思議なもので、声や伴奏は結構リアルだったように思います。また、箱本体の後方は空洞で穴があり、現代のバスレフ式スピーカーの原型の様に思えます。
父が若い頃大枚はたいて買った宝物だった様ですが、幼い私が面白がってゼンマイを巻き過ぎたため、切ってしまったのは非常に申し訳なかったです。
機会があればもう一度聴いてみたい気がします、岡晴夫さんの「あこがれのハワイ航路」や「啼くな小鳩よ」を、SPレコードと蓄音機で。H.Kawauchi
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